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タイル(獅子狩りの場面)
素焼きの土器.14×13(厚さ1.5−2).図は刻印されて焼かれる(やや大きめの物の断片).左に向かう騎士が,馬の尻を割く獅子の側で仰向けに倒れている.騎士の服装,馬の馬具やタテガミ,獅子の足と腕に渦巻く装飾の細部まで吟味されていたことは明らかである.刻印は細く押付けられた溝で上部が,右は狭まったレリーフのひだで区切られている.さらには,中空の輪の刻印によって丸い枠が付けられている.像の配置から判断して,製作品は丸い形の(例えば,ロケットの)複製から作られている.7世紀
Лит.: ЮТ 251.
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坐仏(タイル上の像)
赤,緑の粘土 15.5×13×6. 仏陀(手には禅定印)そのものの型によって,緑の粘土に刻印.アーチ・龕,台座,一つの仏塔(あるいは複数)と像の残りの部分は赤い粘土に刻印される.1964年にXXVII回廊のNo.1龕(XXVII/3-2)荘厳として発見.
РТЛ-95. Лит.: ЮТ 255.
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ベルを持つ手(実物大より少し小さい像の断片)
白い顔料の痕跡がある粘土.12×7.5×5.5.吊りさがった舌と下げるための三つの穴がある半球状のベルが右掌に握られている.白い顔料がベルと指を部分的に覆っている.1971年僧院中庭(ДМ/С-5)装飾.
РТЛ-118. Лит.: ЮТ 297.
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俗人のトルソー(2断片)
顔料の痕跡がある粘土.41×20×12,17×10×10.人物は高浮き彫り製作品の部分を構成.その中でこれは観衆に向かって左側にある.襞のある青い衣装が体と腕の部分を包み,蝶結びにした赤いスカーフが,腕の上から衣装に重ねられている.首にはGrivna(ネックレス)−真珠(白く丸いビーズ)と金(黄色)−がある.РТЛ 1971年,僧院中庭(ДМ/С-1 и -1а)の装飾.
Лит.: ЮТ 270.
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仏像の復元―40年の長きにわたる歴史
この地域(Ajina-Teppe)での遺跡発掘と保護の後,出土した涅槃像は,44の部位に分けられ,ドゥシャンベのタジキスタン共和国科学アカデミー内の民族学・美術修復研究室(L. Novikova研究室長)に運ばれた.これより仏像の復元は長くて困難な経過を辿ったのである.
90年代半ばにエルミタージュ博物館が復元作業に加わった.(V. Fominikh氏も参加開始)2000年,考古博物館の復元図完成により,涅槃仏の像は組み立てることができるようになった.Fominikh氏の監督の元,修復作業者と,博物館のスタッフは,仏像を組み立て始めた.この仏像の修復・復元計画は,タジキスタン共和国の科学アカデミー研究所(R. Massov所長)内の,歴史学・考古学・民族学の研究所と,フランスのタジキスタン派遣チーム(代表ギメ美術館のR. Besenval氏)とACTED(代表F. Roussel氏)というNGOのチームとの協力によって実現したものである.
復元された仏像は,2001年の秋,タジキスタン共和国の独立10周年記念式典にあわせて,タジキスタン共和国考古博物館内で公開された.
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仏像の復元―40年の長きにわたる歴史
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仏陀の手(涅槃仏の断片)
白い顔料の痕跡がある粘土.305×125.左手の前腕部と手のひらが発掘された.1971年,No.23室(XXIII/С-1)
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天部トルソー
粘土.75×35.胴の下部はDhotiに閉じられる.胸は組紐で結ばれている.首から胸にかけて装飾品がさがっている.人物は大変華麗な高浮き彫り作品中の部分であった.半裸の人物たちの列は観衆に対して四分の一回転している.1967年,No.23室(XXIII/С-3)
РТЛ-9. Лит.: Литвинский - Зеймаль Т. 1971, илл. 38, 39; ЮТ 276.
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カフタンを着た俗人のトルソー
顔料の痕跡がある粘土.70×44×13.5.頭,上半身と右手の腕の部分が残る.二重前身頃のカフタン(あるいはガウンを羽織る?)は左で掻き合わせられている.腰と胸と腕には小さな襞がある.首の三角の襟ぐりには下の衣服が見え,それには多くの水平な襞が首に高くはいっている.頭の前面は失われている.短く黒い波打った編んだ髪が額から扇状に分散する.こめかみで髪は,左の耳の上で蝶結びにされた,黄色い巻き布で留められる.1968年,No.28室,回廊(XXVIII/С-1)の壁が修理される間,部屋に収納.
РТЛ-79, 80. Лит.: ЮТ 289.
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子ども頭部
顔料の痕跡のある粘土.12.5×12×12.3.顔の面は型で作られ,残りの細部(黒い髪の巻き毛,耳,帽子)は手で貼り付けられている.頭はどの方向からも見られるように意図されている.顔料の痕跡のみが残されている.帽子とまぶたは青の顔料,首とあごの下のしわと耳殻は赤.1968年,No.28室,回廊(XXVIII/С-2)の壁が修理される間,部屋に収納.
РТЛ-18. Лит.: ЮТ 296.
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貴婦人頭部
顔料の痕跡のある粘土.20.5×15.5×11.Ajinatepaの塑像によく見られる製作技術.顔の面は型で刻印され,後で寄せ集めて修正する.耳は個別に刻印されて固定されたので継ぎ目が見える.顔料は保たれた前面の表面でよく見られる.顔は白,薄い眉は黒,目には青を付け,瞳は黒,赤い顔料は耳殻の奥と唇.髪の分け目で分けられた黒く長い髪は,頂の髷でまとめられる.鼻梁の上の額には小さな穴−Urnaが赤い顔料で充たされている.人物の少し左右非対称なことから判断して,人物は観衆に対して左側を向けていた.1971年
主仏塔前,北西階段の右塔門付近で発見,僧院が機能している時期に,中庭床上塗りの下に隠された.
(ДС/С-21). РТЛ-99. Лит.: ЮТ 295.
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仏頭
顔料の痕跡がある粘土.37×27×16.(実物大より幾分大きい).顔面はほとんど完全に残されている(髪はなく,鼻の部分は斜めになっている.右のこめかみと額は欠けている).顔の柔らかい楕円,丸いあご,口角が上にあがった少し微笑んだ口.上唇は下唇の上に張り出し,上唇の上には小さなくぼみがある.目はアーモンド型で,まぶたで半分おおわれている.目の上のアーチは弱く模られている.顔の表面の薄く白い雪花石膏の上塗りが残っている.まぶたは黒い顔料がつかわれている.1975年,内陣,南壁の龕中.7世紀から8世紀初め.
РТЛ Лит.: ЮТ 313.
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像三体(断片)
顔料の痕跡がある粘土.塑像断片.
a)ローカパーラ像(一塑像の三断片,38×25×13.5; 112×45×27; 15×45×61; 復元された高さは普通の人の大きさに相当する).頭から首にかけて,変化しながらも表面部分は保たれている(髪型と耳はない).顔は丸く,頬が高い.眉のアーチは高く隆起する.目は力強く見開き,上まぶただけが覆っている.鼻は小さく(部分的に偏る),半分開いた口はわずかに微笑む.
b)男子胴部(17.7×16.3×9.2),小さな跪いた像に属し−高浮き彫り作品(名士の従者中,あるいは仏陀の取り巻き中)の二次的人物の一人.体の下部を下着が覆っている.腹部,胸と手は部分的に露出している.胸にさがっている覆いは腕を三角に覆う.1975年,内陣.
Лит.: Литвинский 1983, с. 296; ЮТ 315.
c)男子胴部(80×40×9.5)襞のある衣服(袈裟?)着用.腹部と首周りのしわは浮き彫りで模られる.胸の小さな半円のしわは,湿った粘土の上にはなはだ無頓着に一緒に描かれる.1975年,内陣,装飾(元の位置は復元されていない).
Лит.: ЮТ 316.
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像三体(断片)
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供養図
黄土漆喰上に下塗りの雪花石膏と顔料で描いた絵画.78.5×102.作品の上段(下の部分のみが残されている)には黄色の袈裟を着,葉の付いた枝を拈じ,蓮華坐の姿勢で座具−王座に座っている仏陀と二人の隣に相対する人物(菩薩?)がいた.線(真珠の)で区切られた下段は華麗な作品である.左側には,各々に立て右を向き,同様の被り物と服装で,手には供物(ローソク,容器,花)を持った二人の女性がいる.前には同じ大きさと向きで男性の姿が描かれている.その髪は短く刈られており,体は襞のあるピンクの布で覆われ,その下の下の衣服は異なる色である.右腕と手は露出している.右手には長い茎のハスの大きな花.足にはラペルのあるブーツ.その他に,格子柄の黄色の衣服を着た追加の男性の姿が断片の右側に見える.第二の構図として,奥の場面に(したがって,より小さい尺度で)さらに3人の男性が描かれた.二人はあぐらをかいて座し,三人目は立っている.ぴったりと覆っているラペルのあるカフタンの下から,下部に襞の入った衣服が見える.腰にはリングを組んだベルトが締められ,そこから武器が下がっている.足には柔らかな履物.人々の手には異なった供物がある.1975年,内陣まわりの
回廊.
Лит.: Литвинский 1983, с. 287-295; ЮТ 316; ЖСТ 26.
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