タジキスタン南部(紀元前1世紀〜紀元後1世紀) - HerculesとSirenの戦いを描いた取っ手.

象牙彫刻.10.8×3.7.筒状の取っ手は三つの場面に分けられる.上部(凹形の筒の形状)はAkanf(アカンサス)の若枝と蔓で飾られている.中間(楕円)膨らんだ部分には,Sirenを倒す,二つの同じHercules像のレリーフで飾られている.Herculesは体全体が残り,節のある棍棒を握った右の手は,一撃を加えるために振り上げられている.左の手は,Sirenの長い髪をつかみ,下方に引きおろし彼のももに押付けている.Herculesの足は,片膝をつくSirenをももで抑える.Herculesにとって,獅子に雌鶏,マントにとびつくようである.獅子の脚はHerculesの首の結び目に結び付けられている.
Sirenは裸で,その外観の特徴的細部−雄ヤギの耳−がよく見られる.両者とも筋骨たくましい.戦いの動きはHerculesの振り上げる様,Sirenの起きようとする脚の位置,両者の近接した筋骨たくましい体によって表現されている.
紀元前4世紀から3世紀
Лит.: Литвинский - Пичикян 1981б, с. 141, табл. V; ЮТ 27.

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