タジキスタン南部(紀元前1世紀〜紀元後1世紀) - 1.葡萄の房を持つEros 2.走るEros 3.走るEros 4.走るEros 5.葡萄の房を持つEros 6.リラを奏でるEros 7.鳥(2片) 8.葡萄の房

1.
銅.金箔.刻印.6.2×4.1 4人中3人が走る姿の中で,前に伸ばされた右手に葡萄の房を持って左向きに描かれている.左の手は後ろへ反らし,こぶしは握られている.幼児の体のふくよかさは刻まれたしわで示されている.
同じ細い線は髪型,顔の造作,ヘソや裾の特徴にも見られる.顔,胸,腹は4人中3人において描かれ,脚は複雑な短縮法で描かれている.左足は右足を覆い,前へ出てほとんど四分の三ほど開いている.右は足の裏を外側に返し,側面を見せている. 1世紀
Лит.: Литвинский - Пичикян 1979, с. 90, рис. 2; ЮТ 85.

2.
金箔.刻印.6.2×4.1 裸の幼児,4人中3人が右を向き,前方に手を伸ばし,小さな翼を背中にして走る.Erosの顔は生き生きとし,陽気で悪戯っぽい目をして,右に横目を使っている.
髪形は長く波打つカールで,前髪の巻き毛は額の上にある.体の比率は引き伸ばされているが,丸い腹やもも,肉付きの好い足が重くなっている. 1世紀
Лит.: Литвинский - Пичикян 1979, с. 89 - 90, рис. 1; ЮТ 86.

3.
銅.金箔.刻印.6.1×5.5 人物の姿勢においてNo.226に大変類似している.
背中に発達し,互いに隠しあう二つの翼を付けて,右に走るように描かれている.しかし,伸ばした両手で葡萄の房を持っている.
1世紀
Лит.: Литвинский - Пичикян 1979, с. 89 - 90, рис. 3; ЮТ 87.

4.
銅.金箔.刻印 5.6×4.3 1世紀
Лит.: ЮТ 88.

5.
銅.金箔.刻印.6.1×5.5 1世紀
Лит.: ЮТ 89.

6.
銅. 金箔. 刻印. 4.8×4.4. 坐っている様が描かれ四分の三であり,リラを奏している.顔は真剣である.視線は観客に向けられ,いくらか悲哀がある.
No. 226とよく似ているが,その顔はより大きく前に向けられている.同様な,しかしさらに太った体つきは完全に子どもの体である.同じく幼児のしわ,特に足においては時として異様でもある.
Erosの手には八弦のリラがある.刻印の上の彫刻がリラの構造的・装飾的な部分−弦のある棹,楽器の胴の化粧張り−を示している.Erosの姿勢は自然で自由である. 1世紀
Лит.: Литвинский - Пичикян 1979, с. 90 - 94, рис. 4; ЮТ 90.

7.
銅.金箔.刻印.3.2×1.3 明らかにErosの像や葡萄の房(No232)や同じ蓮の花のように同一物の装飾であった. 1世紀
Лит.: ЮТ 91.

8.
銅.金箔.刻印.1.9×1.5 1C
Лит.: Литвинский - Пичикян 1979, с. 95; ЮТ 92.

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