維摩詰所説経 巻中 鳩摩羅什訳
MS00524





●概要

竹茎、竹細胞が見つかっている(純竹紙か、他の材料との混合かは不明)。
17×134cm


●分析結果

唐代の経典、巻子本(唯摩詰所説教)MS00524用紙に見つかった竹の痕跡


(a)    (b)

 この巻物用紙は丁寧に表面加工され、素材の判定が難しいが、楮を主体としていると思われる(a) 。しかし、一部に明らかに楮とは異なる繊維が見られる。その個所を顕微鏡で500倍に拡大すると、竹に由来する細胞(植物の導管)が見つかった(b) 。


(c)    (d)

 この用紙表面には、竹繊維のほかに植物の茎の残存物も見つかっている(c) 。中国渡来の植物である、孟宗竹(日本産)の茎断面組織と比較の結果、この茎は竹の茎であると推定される(1000年の時間を経て変形されているので、種は不明) (d) 。唐時代作成とされる経典用紙に竹が利用されていたことを示す。竹紙も、唐末に始まるとされているが、確かな現物は宋代の文書がいちばん古い。もしこの経典が、本当に唐代のものであれば、これもまた極めて初期の竹紙(ただし、楮などと混ぜて作ったとも思われるが)の貴重な資料である。


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