垂拱三年(687) 八月隊副魏眼徳上番牒 MS03491 ![]() ●概要布断片、絹糸断片、古麻布(大麻か苧麻かは未定)より作製した紙と判明。製作年代が特定できる貴重な紙。 26×9cm●分析結果![]() ![]() MS03491は年号が記されている貴重な断片である(A.D.687)。この用紙表面に肉眼では全く見いだされなかった麻布断片が見つかった(a) 。重要文化財として有名な李柏文書(本展観に展示中)は4世紀の文書で、紙中に麻布断片が見出され、中国の紙の歴史の証人として、世界的にも貴重な文書である。この小さな断片はそれからおよそ300年を経た唐代中期もまだ、麻布を原料とする紙が作られていたことを示す貴重な資料である。なお、この紙には、絹糸断片も見つかった(b) 。絹は紙の原料には全く不向きで、製紙原料として使われた事実が確認されていないが、ここでは、おそらく補助材料として、あるいは、紙の見栄えを良くするために加えられたのかもしれない。 戻る |